2009年12月11日金曜日

女の恋男の恋

浅田次郎は私と同じ頃から競馬を始めたそうだ。
ダイシンボルガードが不良馬場でダービーを制した昭和44年。
写真の短編集にも「シュウシャインボーイ」という競走馬の名を
題名にした作品があって、これが泣けてくる話でした。


さて、標題の女の恋男の恋というのは「供物」という作品を
浅田が自分自身で解説していた中に出てきた言葉。
曰く「女の恋は流れ去り、男の恋は積み重なる」が持論なんだって。


う~む、女のほうはともかく、男のほうはうなずける(笑)。
小学校の3年の時、モリアツコちゃんという可愛い子が同じクラスに
いたんだけど、その子が4年生の時東京に転校してしまってから、
可愛い子だったなぁと思い続けて幾歳ぞ。50年以上経ってるね(苦笑)。


いまだに私のなかでは小学校3年のままのアツコちゃん。
消息を知りたいけど手掛かりはまったくなし。
かくして、積み重なったまま時間が過ぎていくのです。


いま思い出したことがある。私が結婚する時に、母親が私に無断で
学生時代にガールフレンドたちから来た手紙を処分してしまった。
俺のものなのに勝手になんだよぉ、と文句言ったら
「そんなものは持っておくべきでないから燃やした」と母親。


そんな考え方って今まで全然理解できなかったけど、浅田次郎の
女の恋は流れ去りという言葉を知って、ははぁこれかぁとピンときましたね。
私は積み重ねていたかったのに、母親は流し去ってしまったんだ、とね。

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